<ショパンとポーランド>
◆公演日:2017.7月15日(土)7:00p.m. 開演(6:30p.m.開場)
◆出 演:Fl.上坂 学、大前 翔子 Pf.近藤 盟子
◆会 場:スペース・Do(東京都新宿区、JR新大久保駅・JR大久保駅近く)
◆お話し:大竹 亮
◆入場料:一般(大学生以上)¥2,500− 学生(高校生以下)¥1,500−
(赤または白ワインとジュース付き。未就学児の入場はご遠慮下さい)
◆フライヤー(チラシ)拡大画像
◆スマホはQRコードから(Vol.216専用)
<本日のゲネプロ>−−−−−−−−−−−−−−−
ゲネプロ始まりは同時に演奏会の始まりでもあります。短い時間にその日の自身や会場のコンディションを理解し掴み、本番へ備えていきます。さあ、始まります。
<本日のStage-1>−−−−−−−−−−−−−−−
解説の大竹さんのお話しで始まり、前半は全員揃ってのお話し。
前半はショパン中心(下記参照)、1曲目は「貴婦人のノクターン」。
2曲目は私のソロでシンデレラのヴァリエーション。
大前さんのソロは有名な遺作のノクターン。
そして、ピアノのソロは「これぞクラシック」とも言える名曲揃い。
<本日のTea Time>−−−−−−−−−−−−−−−
休憩では赤白ワインとジュースの無料サービスがあります。
古くからの(生徒さんでもある)友人もお越し頂きました。嬉しいですね。
<本日のStage-2>−−−−−−−−−−−−−−−
後半が始まりました。お話しの時間は曲目解説だけでは無く、演奏者の作曲家や曲に対する思い、苦労などもどんどんお話ししていきます。我々にとっては当たり前の事でも、聴衆にとっては意外で斬新な事もたくさんあるようです。お話しも楽しんで頂きたいといつも願っています。
後半は珍しいズグラーヤのデュオから。
ピアノのソロを挟んで、最後はモシュコフスキ。この曲サイコー!
無事終演、晴れやかな出演者であります(*^_^*)
SNS等でも仲良くさせて頂いているRiekoさん(左)とChikakoさん(私のとなり)です。ありがとうございました!
Chikakoさんから頂きました。お洒落なビールのお供です\(^^@)/
プログラムは以下の通りでした。
● ショパン:Frederic Francois Chopin
(1810.2.22.ポーランド、ジェラゾヴァ・ヴォラ〜1849.10.17.パリ[39歳])
ショパンと言えば、ピアノの、と言うよりも「クラシックの名曲」という偉大な存在ですね。そんなショパンの曲をフルートで演奏するには、ピアノ曲としてでは無く「フルートの曲」として音楽を作らなくてはなりません。それは、たった一つの音を出すにしてもとても大変な作業なのですが、ロマン派の音楽に枯渇している(笑)我々フルート奏者達は、ショパンを演奏できる歓びも満ち溢れているのです(^o^)。
− 2つのノクターンOp.27より、第2曲ノクターン第8番 変ニ長調「貴婦人のノクターン」
(1835年作曲[25歳]、2Fl+Pf)
この繊細なノクターンを2人で分担して演奏するのは息を合わせるのが大変です。ショパン独特の光るような細かいパッセージも難関です。しかし、曲へのアプローチをちょっと変えるとフルート曲としての音楽が見えてくるのです。
−ロッシーニ「シンデレラ」の主題による変奏曲
(1824年作曲[14歳]、Fl+Pf、上坂)
BGMなどでもよく使われる親しみやすい作品です。14歳と若い頃の作品ですが、他のピアノ曲に比べてピアノパートが余りにも簡素の出来ていると言う事から偽作説もあります。当夜演奏後に挙手によるアンケートをしてみたところ、ショパンらしくない、と感じた方が多かったようです。個人的には極めて貴重なショパンのオリジナルフルート曲ですので、ショパンの作品であって欲しいなと思っています。
−ノクターン第20番 嬰ハ短調「遺作のノクターン」
(1830年作曲[20歳]、遺作、没後1875年出版、Fl+Pf、大前)
(原題:アダージョ・レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ、KK. IVa-16=クリスティナ・コビラィンスカによる作品整理番号)
時に自由に、時に急速に奏でられる愁いのある旋律は聴く人の心を掴んで離さないでしょう。フルートにも良く合ったメロディだと思います。
−4つのマズルカOp.24より、第4曲第17番 変ロ短調
(1836年[26歳]、近藤)
−12の練習曲Op.10より、第9番 ヘ短調 Op.10-9
(1829-32年[19-22歳]、近藤)
−2つのノクターン Op.55より、第1曲ノクターン第15番 ヘ短調 Op.55-1
(1843年作曲[33歳]、近藤)
−華麗なる円舞曲Op.34より、第3曲ワルツ第4番ヘ長調「猫のワルツ」Op.34-3
(1838年作曲[28歳]、近藤)
いつも伴奏ばかりの近藤さんですが、今夜ばかりはいつもよりも生き生きと演奏されていたのは気のせいでしょうか。やはりポピュラーな作品はそれだけ良く出来ている、と言う事を再認識しました。素敵です。
● ヴァインベルク:Moisey Samuilovich Weinberg
(1919.12.8.ポーランド、ワルシャワ〜1996.2.26.ソ連、モスクワ[76歳])
−フルートと弦楽のための協奏曲 (フルート協奏曲第1番) 作品75
(1961[42歳]、Fl+Pf、上坂)
I.Allegro molto 2/4 II.Largo 12/8 III.Allegro comodo 3/4
ポーランド生まれ、ロシアに移って活躍したヴァインベルクですが、色々と苦労も多かったようです。極めて技巧的な作品ですが、ロシアを感じさせる哀愁を帯びたメロディがとても素敵です。難しいのですが、それだけに格好いい。多くの方にお聴き頂き、また体験して頂きたいと願う作品です。
● ズグラーヤ:Krzysztof Zgraja
(1950.ポーランド、グリヴィツェ〜 [本年67歳])
−モダーン・フルーティストVol.2〜2Flの為の20の二重奏曲より
(2Fl)
Prelide 2/4 - Canon Blues 4/4 - Country Songs 2/4 - Latin Club 4/4 - Funky Duo 2/2
ズグラーヤは現代のジャズフルーティスト、作曲家です。そんなズグラーヤが比較的初級者でも演奏できるように書かれた二重奏です。20曲ある曲集の中から5曲を抜粋して演奏しましたが、優しい技術の中にセンスの良さ、上品さ、面白さ、意外さ、その全てが表現されている二重奏です。プロだけでは無くアマチュアの皆さんにも是非楽しんで頂きたいと思います。
● ショパン=ゴドフスキー
−ワルツ「小犬のワルツ」(近藤)
(3つのワルツop.64[1846-38年作曲、36-8歳]の第1曲ワルツ第6番変ニ長調)
ポーランドのピアニスト・ゴトフスキーによる編曲です。祖国の偉大な大先輩ショパンの名曲を、更に技巧的に、更にお洒落に仕立てられています。原曲がただでさえ楽しい作品なのに、スケールアップしたゴトフスキーの編曲は必ずピアノを挽きたくなってしまうような魅力に溢れています。
● モシュコフスキ:Moritz Moszkowski
(1854.8.23.プロイセン王国ブレスラウ[現ポーランドのヴロツワフ]〜1925.3.4.フランス、パリ[70歳])
−組曲Op.71
(原曲:2Vn.Pf、1903年ライプツィヒで出版[49歳]、2Fl+Pf)
I.Allegro energico 4/4 II.Allegro moderato 3/4
III.Lento assai 4/4 IV.Molto vivace 6/8
ピアニスト、作曲家、指揮者として活躍したモシュコフスキのトリオです。原曲は2本のヴァイオリンのために書かれていますので、音域や、頻度は少ないですが重音をどう表現するかがフルートで演奏する際のカギになります。このトリオは、ピアニストとしての名声も得、作曲や指揮活動も順調、そんな彼がパリに移り住んだ後の作品でです。どことなく絢爛な雰囲気を持ち合わせたこの作品は、パリに住んだ事も影響があるのかも知れませんね。とても素敵な作品です。
アンコールはショパン:ワルツ「子犬のワルツ」(2Fl+Pf)でした。
次回公演は、2017年9月16日(土、7:00p.m.開演)公演「ザ・トリオ〜Sterling tones」と題し、平野景子さんをお迎えして3Flによる新たな名曲にもスポットライトを当ててお届け致します。3名とも銀製の楽器を使っての演奏、Sterling tones、Sterling Trioです。普通のフルートだけでは無くピッコロもアルトフルートも登場しますよ。どうぞお越し下さいますよう心よりお待ち申し上げます。
<フルート・コミュニケーション Vol.216>−−−−−−−
■ショパンとフルート■
ピアノの詩人、なんていう別名を持つショパンはフルートから見ても憧れの音楽家だ。だって、どこから聞いても美しい音楽が溢れていて、あんな音楽をフルートで吹きたいなあ、と思ってしまうのだ。(ピアノの詩人の美しい音楽をフルートで奏でてフルートの貴公子とか呼ばれたいしね)
そう思う人は世の中にたくさんいて、だからアレンジ譜もたくさん出版されている。そこには確かにショパンの音楽が書かれているんだけれど、ちょっと違うなあ、フルートでピアノを追いかけるのは無理だし意味が無いんだよね。
ピアノを追いかけるってどういう事かというと、ピアノでの模範的な?演奏やピアノの世界での標準的な解釈をフルートでも再現しようと言う事。一見正しいようだが違うと思うなあ、だって楽器が違うんだものね、フルートで演奏するからにはピアノの音楽じゃダメで「フルートの音楽」にしなきゃいけない。そこがポイントだと思っている。
そんな事を思いながらショパンを吹いていると、解説の大竹さんから常々言われている「ピアニストに抵抗しちゃダメよ」という言葉が頭をかすめるけど(笑)、それでもピアニストの顔色をうかがいながらも自由に音楽したくなっちゃうんだよなあ。それが偉大な音楽家、ショパンの魅力だ。
<本日の打ち上げ>−−−−−−−−−−−−−−−
魚眼レンズで( ^_^)/□☆□\(^_^ )
奏者は体力を使ってカロリーも消費していますからね、こんな鶏の唐揚げとか、
こんな海苔巻きとかぱくぱく行っちゃいます。ぱくぱく食べながら演奏会の話し、音楽の話し、楽しいおしゃべりを満喫します\(^O^)/
楽しい時間でした、ありがとう。また次回!
<開演に向けてどうやって準備しているかというと>−−−−−−−
入念に直前の合わせを行い、
毎度お馴染み、演奏会場近くのハンバーガーショップであります。
【フルートクライス・サマーキャンプVol.36】
2017.8月11日(金)〜8月14日(月) 3泊4日
★速 報!!
2日目(12日土曜日)にブラジル音楽のグループ、フルートパラダイスの皆さんが参加される事になりました。メンバーは、フルート:赤羽 泉美、川満 直哉、満島 貴子、ピアノ:今井 亮太郎さんです。全員ブラジル音楽の世界で超有名超大人気のミュージシャン達。楽しい時間になりそうです。
◆詳 細:こちらからご覧下さい
スマホはQRコードから(Vol.36専用)
◆会 場:プチホテル・ゾンタック
◆コンサート:入場無料、出入り自由
キャンプに参加されない方や会場に宿泊されない方もお聞き頂けます。
<11日20時開演プロムナードコンサート>
●メル・ボニ:森の情景(Fl+AFl+Pf)
●後日公開(Fl+Pf、大前)
●ペッテション=ベリエル:組曲「フレースエー花々」より、フレースエーの教会にて(Fl+Pf、上坂)
●サン=サーンス:ロマンス(Fl+Pf、上坂)
●後日公開(Pf solo、近藤)
●ユーグ:ヴェルディ「仮面舞踏会」による協奏的大幻想曲 Op.5(2Fl+Pf)
アンサンブル三昧の楽しい3日間です。キャンプ中にステップアップする事間違い無しの豊かな時間です。クライス行事の特典の一つ、フルート無料調整があります。調整中の代替え楽器として、また、試奏楽器としてムラマツからご用意下さいます。
初日夜は講師陣によるプロムナードコンサート、2日目夜には景品をかけたゲーム等も。3日目夜は参加者皆さんの発表会です。どうぞ詳細をご覧下さい。
どうぞお楽しみに!