◆公演日:2010.7月3日(土) 16:00 開演
◆出 演:Fl.上坂 学、黒木 亮 Cemb.黒木 香乃 Pf.白澤 美知子
◆お話し:上坂 学
◆会 場:くろき脳神経クリニック・リハビリ室「ジョンダーノホール」
今年も酒田場所の季節がやって参りました。第3回の今回も盛りだくさんの内容で皆様をお迎えいたしました。開演前からやる気満々で(笑)うきうき楽しみで仕方ありません(大笑)。
開場入りする前に、今年も「海鮮どんや・とびしま」で中トロ丼の朝食を旨旨に頂きました。また、音楽以外のトピックは、千代丸を連れてきたことです。「食」と「千代丸」については別途ご報告いたします。
まずは前半のコンサートのご報告、プログラムは以下の通りでした。
● ヘンデル:Georg Friedrich Handel
(1685.2.23 ドイツ・ハレ〜1759.4.14 イギリス・ロンドン[74歳])
−ソナタ ホ短調 HWV.359b(旧作品番号:Op.1,Nr.1b、Fl+Cemb)
I.Grave 4/4
II.Allegro 4/4
III.Adagio 3/4
IV.Allegro 3/8
● ゴセック:Francois-Joseph Gossec
(1734.1.17 オーストリア領ネーデルラント[現在のベルギー]エノー州〜1829.2.16 フランス・パリ[95歳])
−歌劇「ロジーヌ」より、ガボット ニ長調(Fl+Pf、1786年作曲[52歳])
● ビゼー:Georges Bizet
(1838.10.25 フランス・パリ近郊-1875.6.3 フランス・ブージバル[37歳])
−「アルルの女」第2組曲より、メヌエット
(Fl+Pf、歌劇「美しきパースの娘」より転用、ビゼーの死後友人エルネスト・ギローの手により編纂、原曲:管弦楽)
−メンデルスゾーンの「歌の翼」による幻想曲(Fl+Pf)
● フォーレ:Gabriel Urbain Faure
(1845.5.12 フランス・パミエ〜1924.11.4 パリ[79歳])
−シチリアーノ
(Fl+Pf、原曲:劇音楽「町人貴族」、Vlc/Vln,Pf、1898年作曲[53歳])
● チマローザ:Domenico Cimarosa
(1749.12.17 イタリア・アヴェルサ[ナポリ郊外]〜1801.1.11 ヴェネツィア[52歳])
−2本のフルートと室内オーケストラのための協奏曲(協奏交響曲)ト長調
(2Fl+Pf、1793年作曲[44歳]、原曲:2Fl,Orch)
I.Allegro 4/4
II.Largo 3/4 (attacca)
III.RONDO : Allegretto ma non troppo 6/8
さて、、、

庄内空港へ付くと、今年もこのようなプラカードで美女がお出迎えです(^_^)。sumimasen、ここでの美女の写真はありませんが、チェンバロ奏者のkanon(黒木香乃)さんのお出迎えです。
千代丸を家に連れて行き、「とびしま」で朝食の後、さっそくゲネプロです。
*以下全て 40D + EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS

+ 580EX
会場のジョンダーノホールはセッティングも済み、すぐに練習開始です。会場の大小を問わず、現場に入れば気が引き締まります。期待と興奮、うきうきわくわくなんですよ。本番へ向けて気持ちを盛り上げ音楽を創っていく、その過程も言わば本番。それも責任を持って楽しむのです。
最初にチェンバロとの合わせをしました。今回は、バッハと並んで後期バロックの雄ヘンデルのソナタです。バッハは演奏者が装飾など、あまりいじれない作品が多いのですが(それ自体はバロック的ではありません)ヘンデルはバロックの伝統的な作風を持っていますから、どこをどう装飾を入れるか等々、お互いの知識、経験、センス、がいきなりぶつかり合うのです。まあ、それが音楽そのものなんですよね。

+ 580EX
続いてピアノとの合わせ。
合わせは本番前の僅かな時間だけですから、ピアニストの白澤さんとのやり取りも真剣そのもの。短い時間で音楽を作り上げていきます。柔軟なセンスに感謝です。

+ 580EX
診察の合間を縫って黒木さんとのチマローザ。
黒木さん、年々腕前を上げてきて、この難曲をさらさらと吹いてくれて頼もしいです。

+ 580EX
こちらも短い時間の中で高度に音楽を構築していきます。

本番前のチェンバロの調律も終わり最終チェック。
そして、、、

開演です。まずはヘンデル。
なぜバロックで装飾が発達したのか、チェンバロや当時の楽器の特性などを解説しながら話を進めていきます。更に更に興味を持って音楽を聴いて頂きたいからです。

チェンバロはヒストリカルタイプですから繊細な音色と音量を持っています。フルートがモダーンの協奏曲の様に吹いてしまったら音楽は台無しです。繊細なバランス、また、本番の会場の雰囲気に合わせて、練習の時とは違う装飾を施しながらの演奏です。
装飾は、もちろん様式という物はありますが自由です。練習の時に決めてその通りに演奏するのではなく、その時の雰囲気、お客さんの反応によって適宜変えていきます。それが楽しいんですよ。

続いてピアノ伴奏での名曲シリーズです。
1曲1曲お話ししながらの演奏です。

名曲というのは、まず、作品が優れていること、つまり音楽的にも技術的にも高度だという事です。そして、高度だと言うことを感じさせない自然な流れの音楽があると言うことです。

短い休憩の後は黒木さんに登場願ってイタリアのオペラ作曲家・チマローザのドッペルコンチェルトです。黒木さんはこの曲を初体験だったようですがとても気に入ってくれたようで、それが演奏に反映され明るく楽しい作風その通りの演奏となりました。

アンコールに突入!
まずはチェンバロとバロックの神髄、装飾のかたまり(笑)、クープランの「恋のウグイス」を演奏しました。伴奏の香乃さんもお好きな曲で何度も演奏したことがある、とのことで、打ち合わせなどほとんど要らない自然に音が流れる演奏となりましたよ、イイですねえ!!

そして黒木さんに再度登場して貰い、ショッカーの「3つのダンス」から第1曲です。これはリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の冒頭の旋律をモティーフにしたゴキゲンな作品。ソロイスツでも何度か演奏していますが、今回は私は2ndを担当し、黒木さんには、最後の方に声で歌うよう指定がある1st.を吹いて貰いました。なかなかの美声で良かったですよ。

めでたく、好評のうちに終演、お疲れ様でした。
この後Q&Aが続きますが、報告は次回に。
(続く)
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