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[ミニヨンVol.127] 〜木管の響き・VIII〜
◆「クライス・フルート・ソロイスツ」ミニヨンサロンコンサート Vol.127
 〜木管の響き・VIII〜 2Fl,Pf
◆公演日:2007.1月20日(土) 19:00 開演
◆出 演:Fl.上坂 学、遠藤 尚子 Pf.近藤 盟子
     大竹 亮(お話し)
◆会 場:名曲喫茶・ミニヨン

ゲストの遠藤さんは昨年4月以来の登場。遠藤さんとのアンサンブルで恒例となりつつある、木管製フルート2本によるアンサンブルをお楽しみ頂きました。


*全て CANON EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
Mignon_Vol.127_01
ゲネプロ

Mignon_Vol.127_02
演奏を終えて

プログラムは以下の通り。

● ロカテッリ:Pietro Antonio Locatelli
 (1695.9.3イタリア、ベルガモ〜1764.3.30オランダ、アムステルダム[68歳])
   −3声のソナタ Op.5 より、第1番 ト長調(1736年出版[41歳])
     I.Andante 4/4
     II.Largo Andante 12/8
     III.Allegro 2/4
     IV.Vivace 3/4

● クヴァンツ:Johann Joachim Quantz
 (1697.1.30ドイツ、オーバーシェーデン〜1773.7.12ポツダム[76歳])
   −2本のフルートと通奏低音のためのトリオソナタ イ長調
     I.Pstorale 6/8
     II.Allegro assai 2/4
     III.Grave 3/4
     IV.Tempo di Menuetto 3/4

    −−−−−−−−− Tea Time −−−−−−−−−

● ペプシュ:Johann Christoph Pepusch
 (1667ドイツ、ベルリン〜1752.7.20イギリス、ロンドン[85歳])
   −トリオソナタ ヘ長調(原曲:2本のオーボエと通奏低音)
     I.Largo 3/2
     II.Allegro 4/4
     III.Adagio 3/2
     IV.Allegro 6/8

● シュターミッツ:Anton Stamitz
 (1750.11.27ドイツ、ドイチュ・ブロート[現在のチェコ、ハヴリーチクーフ・ブロト] 〜1796-1809の間、フランス、パリ[76歳])
   −2本のフルートのための協奏曲 ト長調
    (原曲:2本の独奏フルート、弦楽合奏、2オーボエ、2ホルン)
     I.Pstrale 6/8
     II.Allegro assai 2/4
     III.Grave 3/4
     IV.Tempo di Menuetto 3/4

アンコールは、クヴァンツ:トリオ・ソナタ C-dur より、第4楽章 Vivace でした。

2曲目に演奏したC.P.E.バッハ以外は皆国外で活躍の場を見いだしています。C.P.E.バッハは生涯フリードリヒ大王のフルート教師として仕えました。大王の作とされるフルート・ソナタの大部分にC.P.E.バッハの手が入っていると思われます。C.P.E.バッハはバロックというよりもギャラントと言って良く、Wq.83〜Wq.86のソナタのように自由で華やかな作風がウリですが、このソナタは1楽章がパストラーレから始まるなど優雅な雰囲気に包まれています。C.P.E.バッハは大王に忠実だったとされていますが、彼の有名にして名著の「フルート奏法試論」の冒頭には出世する音楽家の条件として、「お世辞が上手いこと、上に取り入る術を知っていること」と愚痴が書かれていて、当時イタリア出身の音楽家が幅を利かせていたことが伺われます。

そのイタリア人音楽家、コレッリの弟子でもあるロカテッリは、師であるコレッリの作風を尊重し守り続けた作曲家です。オランダで成功を収めたようですが、"イタリア人音楽家"の威光もあったのかも知れません。明るいG-durの響きで始まり、そして時には技巧的に、フルートの楽しさを存分に発揮できるお勧めの1曲です。演奏していて本当に楽しい。

ヘンデル同様イギリスのロンドンで活躍したペプシュは、14歳にしてベルリンの宮廷で職に就くが、宮廷で何をやっていたかは不明だ。その職も31歳の時に辞めてしまうのだが、その理由も不明。その後ロンドンに渡り、ヴィオラ奏者、オルガニスト等として活躍する。今宵のトリオソナタはオーボエ2本が指定されている。教会ソナタ形式で、1楽章と3楽章にゆったりとした3/2拍子が指定されていることからも、息の続くオーボエを想定していたのは間違いない無いだろうと思う。技術的にはアマチュアでも十分演奏可能で、なんということはない普通な感じの曲なのだが、鑑賞に堪えうるフツウの曲を作曲できるところに才能を感じる。

マンハイム楽派のボス、ヨハン・ヴェンツェル・シュターミッツ(Johann Wenzel Stamitz)の次男、アントン・シュターミッツは、有名な兄・Carlと共に若い頃からマンハイム宮廷でヴァイオリン奏者として活躍していました。モーツァルトと会っていたことでしょう。その後パリに渡り、フランス王室演奏家の称号を得てヴェルサイユ宮殿などでも演奏活動をしていたようです。今宵の作品は、兄・Carlにそっくりな部分があり、Carlの協奏曲が音大の入試曲であった遠藤さんと私は思わず笑ってしまう場面がしばしばありました。2本のフルートを使っているにもかかわらず、それぞれソロとして活躍する場面がたくさん用意されたヴィルトゥオーゾな協奏曲です。


Mignon_Vol.127_03
大竹さんと遠藤さんのトーク

Mignon_Vol.127_04
ティー・タイム:遠藤さんもお客様と談笑


<本日のコラム>−−−−−−−−−−−−−−−

・フルート・コミュニケーション Vol.127


■今年の抱負とか、目標とか■

 皆さん、もう月末ですが、改めましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 今年の年頭は、私にしては珍しく、もうほとんど初めてなくらい今年をどう活動していくか、なんて考えてしまいました。ミニヨンでの演奏会はこれからも益々活発に、そして内容を充実させていきたい。大阪と東京で開催しているQ&Aをもっと広範囲に発展させたい。ホームページをご覧の方はもう御存じかも知れませんが、今年の東京でのQ&Aは縁あって楽器店で3/24(土)に開催します。7月には例年通り大阪での開催を予定していますし、5月には初めての金沢でコンサート主体のQ&Aを開催する予定でいます。ホームページの開設は、間違った奏法で上達できず悶々としている人達を見て決意したものですが、Q&Aは言わば辻説法なんですね。正しいと思うことを広めていくのはモラルとさえ感じています。それに、毎回新しい出会いという喜びもありますからやめられません。あと、趣味の写真も充実させたいですね。

 必ず写真を掲載しているブログを毎日書いています。風景、人物ポートレイト、何でも撮り掲載します。フルートと同じで、ただ闇雲にシャッターを切っていても埒が明きません。趣味ですから苦労も多い。基礎知識を勉強しつつ試行錯誤です。ブログといえば、ミニヨンへの練習記も掲載していますが、食べているところばかりです(笑)。食は文化ですからね、食い意地張っているなあ、なんて貧しいコメントは止した方が良いですよ。今年も食べまくります。(取り留めなく終わり)

(ま)

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Mignon_Vol.127_05
桜井さん、楽器のお話し

Mignon_Vol.127_06
終演後、桜井さん、遠藤さんと

遠藤さんが使用した木管フルートはサクライフルートの新作だそうです。制作した桜井さん(息子さんの方)もいらして下さいました。説明によると、白樺の木を厚さ1mmに加工し重ね合わせ、樹脂を注入して比重を高めているそうです。結果、100%の木管ではなく、木の割合が8割ぐらいになるそうです。それを角材のようにしてからフルートに作るということです。強度も出ますので管厚を薄くで加工もしやすい、それなのに比重を稼げるので薄っぺらい音にならない、というわけです。トーンホールには象牙がはめてあるので精度が出せ、タンポを金属楽器同様に出来て密着度が上がるとのこと。「お貸ししますから桜井2本で演奏会いかがですか」とのお誘い、魅力ありますね。

Mignon_Vol.127_07
打ち上げに[4H]の麻里子来る(中央)

ミニヨンでもお馴染みになりつつある[4H]ですが、来月2/9に初めてのリサイタル(チラシ約1MB、PDF)を開催します。そのお知らせに麻里子が駆け付けました。

来月は「ロココ、ギャラントの華・I」と題し、ドヴィエンヌとC.P.E.バッハの華やかな協奏曲とソナタをお楽しみ頂きます。どうぞお出かけ下さい!
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