◆FlとPfによる、秋の夜長のコンサート in 弘前Vol.2
・・・ロマンティックな夜だから・・・
◆公演日:2017.9月30日(土)6:30p.m. 開演(6:00p.m.開場)
◆出 演:Fl.上坂 学、Pf.近藤 盟子 特別ゲスト:Fl.竹澤 聡子
◆日 時:2017.9月30日(土) 6:30p.m.開演(6:00p.m.開場)
◆会 場:石のむろじ
〒036-8087 青森県弘前市早稲田3-9-1
Tel:0172-29-3566
(城東ヤマダ電器からツタヤ弘前店方面約へ約100m)
◆入場料:一般 2,000円、高校生以下 1,000円
(70席限定、未就学児の入場はご遠慮下さい)
◆フライヤー(チラシ)拡大画像
◆プログラム:
・ペッテション=ベリエル:フレースエーの教会にて(Fl Pf)
・シューマン:3つのロマンスより(Fl Pf)
・フォーレ:コンクール用小品(Fl Pf)
・笹森 建英:フルートとピアノのための1月より、第1楽章(Fl Pf)
〜〜〜Tea Time〜〜〜
<リクエストより>
・懐かしの映画音楽より(Fl Pf)
・シューベルト:即興曲 Op.90-3(Pf solo)
・セヴラック:「休暇の日々から」第1集より、ロマンティックなワルツ(Pf solo)
<ゲストをお迎えして>
・ユーグ:ヴェルディ「仮面舞踏会」による協奏的大幻想曲 Op.5(2Fl Pf)
・ピアソラ:「タンゴの歴史」より、Cafe1930
2回目を迎えることが出来たソロイスツ弘前公演Vol.2、本番当日のご報告です。
<本日の開演前>
会場の「石のむろじ」外観です。天気予報通り突然の嵐のような雨も降りましたが、夕方になってとても良い天気になってくれました。「むろじ」とは仏教用語で「煩悩 (ぼんのう) のない世界、悟りの境地、と言う意味で「無漏路」と書きます。なるほど、墓石なども造る石屋さんならではの名前ですね。反対語は「有漏路 (うろじ、煩悩に汚れた世界)」です。
紅葉したもみじも夕陽に照らされ輝いています。
さて、時間は戻って、会場セッティングと同時にピアノの調律も始まりました。
調律が終わり、さっそくにゲネプロです。初めての会場ですので戸惑いもありますが、素晴らしい残響で気持ちイイ。お客様がいないと響きすぎる感じもありますが、お客様が入れば丁度良くなるでしょう。
お花も頂きました。「今までで一番立派だ」とはホールの社長さんのお言葉です\(^O^)/
セッティングもゲネプロも終わり、会場を待つばかり、気分も盛り上がってきました。
開場しました、満席です\(^O^)/
もうすぐ開演です。
<本日の開演>
開演しました。私のお話で進んでいきます。
プログラムは以下の通りでした。
●ペッテション=ベリエル:Wilhelm Peterson-Berger
(1867.2.27スウェーデンUllanger, Angermanland〜1942.12.2 Ostersund[75歳])
−「フレースエーの花々」第1巻 より、フレーセ教会で
スエーデンの音楽家ペッテション=ベリエルのピアノ曲が原曲です。フレースエーとは、スエーデンのほぼ中央にあるストゥール湖に浮かぶ島で、ペッテション=ベリエルはこの島に別荘を持っていました。そこで書かれたピアノ曲「フレースエーの花々」で作曲家として認められました。哀愁を帯びた作品で、フルートの愁いのある低音の響きにピッタリの作品です。
●シューマン:Robert Schumann
(1810.6.8ドイツ、ツヴィカウ〜1856.7.29エンデニヒ[ボン郊外] [46歳])
−3つのロマンス Op.94より、第2曲(1849年作曲[39歳])
ドイツロマン派の巨匠の一人、シューマンの珍しい管楽器の為の作品です。原曲はオーボエが指定されていて、クラリネットやヴァイオリンなどでも演奏して良いことになっています。つまり、バロック時代のように音域など演奏可能であればどの楽器で演奏しても良い、と言うことなのでしょう。ロマン派の巨匠が殆どフルートの為の作品を残しませんでしたので、今ではフルートの大切なレパートリーとなっています。
●フォーレ:Gabriel-Urbain Faure
(1845.5.12フランス、パミエ〜1924.11.4 パリ[79歳])
−コンクール用小品(1898年作曲[53歳])
近代フランスの代名詞のような作曲家、フォーレの卒業試験の為の作品です。ヨーロッパの大学では、卒業試験はバロックから現代までの作品を並べたリサイタル形式で、教授など審査員が投票し順位が決まります。つまり、卒業試験はコンクール形式なのですね。ですからこの作品のコンクールの意味は「卒業試験」なのです。その卒業試験の初見(その場で初めて見た楽譜を演奏する事)の為の作品で、近年自筆楽譜が発掘され余りの美しさに弘まったというわけなのです。ただ吹くだけならさほど難しいようには思えないのですが、表現、音色、音程等に厳しく出来ており、良い演奏をするのは極めて困難な作品に仕上がっています。さすがフォーレ、さすが試験曲です。
●サン=サーンス:Charles Camille Saint-Saens
(1835.10.9フランス、パリ〜1921.12.16アルジェリア、アルジェ[86歳])
−ロマンス Op.37(原曲:フルートと管弦楽。1871年作曲[36歳])
代名詞という意味では、サン=サーンスも近代フランスの作曲家の代名詞の一人でしょう。「動物の謝肉祭」は有名ですね。その中の「白鳥」は特に有名で様々な楽器で(もちろんフルートも!)演奏されます。管弦楽曲も協奏曲もどれも美しく、何故もっとフルートの為に作曲してくれなかったのだ、と天を仰いで恨みの一つも言ってしまいたくなります。ですからこのロマンスは貴重過ぎる作品でフルートの重要なレパートリーとなっています。原曲は管弦楽伴奏ですが、もっぱらピアノ伴奏での演奏が一般的のようです。
●笹森 建英:Sasamori Takefusa
(1931.1.1.青森県弘前市〜 )
−フルートとピアのの為の1月より、第1楽章(1975年作曲、同年初演)
地元弘前出身の笹森先生は、早稲田大学を卒業後アメリカ・コロラド州デンヴァー大学、コロラド州アスペン音楽学校ではダリウスミヨーに作曲を師事されました。その後ニューヨーク州マンハッタン音楽院(作曲修士)、ハワイ大学音楽部(民族音楽学修士)で研鑽を積まれ、弘前大学教育学部音楽科教授として後進の指導に当たられました。その頃今夜共演の近藤さんがピアノを習っていたそうです。作品は前衛的な技術は少なく、我のテイストの中にメシアンなどの厚いオルガンの響きのような感性も感じられる素敵な作品です。演奏上は奏者に多くの要素が任される自由度が高い内容ですが、作曲家の意図をくみ取りどの技術で表現するか、その組み合わせは無限にあり悩ましい作品でもあります。私の独断で楽譜には指示の無い「声」を数カ所で使いました。フルートで音を出しながら声を出す(歌う)のです。目の前の招待席に座っている笹森先生を視野の中に感じながら緊張した時間でしたが、今までで一番良い演奏だった、と最高のお褒めのお言葉と共に喜んで頂けて幸せでした。多くの場合難解と感じられがちな作品ですがとても好評で、アンケートの「印象に残った作品」に多くの丸が付いていました。
−−− Tea Time (ワイン、ジュースのサービスがあります)−−−
【リクエストより】
●懐かしの映画音楽
−タラのテーマ(風と共に去りぬ)
−ムーンリバー(ティファニーで朝食を)
●シューベルト:Franz Schubert
(1797.1.31 オーストリア・ウイーン〜1828.11.19ウイーン[31歳] )
−即興曲 Op.90-3
●セヴラック:Marie-Joseph-Alexandre Deodat de Severac
(1872.7.20.フランス〜1921.3.24.[58歳])
−「休暇の日々から」第1集より、ロマンティックなワルツ
昨年の演奏会で頂いたリクエストから4曲演奏致しました。馴染みのある映画音楽2曲に続いて、ピアノの独奏で「歌曲王」シューベルトの作品、そしてやや珍しいセヴラックの作品をお届け致しました。セヴラックはフランスの作曲家で、パリ音楽院では作曲とオルガンを学びました。声楽やオペラなどが代表作ですが、多くのピアノ曲も残しています。
【ゲストをお迎えして】
●ユーグ:Luigi Hugues
(1836.10.28イタリア、カサーレ・モンフェラート〜1913.3.5.同地[77歳])
−ヴェルディ「仮面舞踏会」の主題による協奏的大幻想曲 Op.5(2Fl+Pf)
ここでゲストの竹澤さんの登場です。昨日の合わせでとても良い感触を得られ気分も高揚して楽しく演奏する事が出来ました。好評も博し素晴らしい演奏会にして頂きました。ユーグはイタリアのフルート奏者で、名手として名を馳せました。ロマン派時代の大作曲家達は大編成のオーケストラや弦楽器の室内楽にご執心で管楽器の為の作品が殆ど生まれませんでした。フルートのヴィルトゥオーゾ達は自分で演奏する曲を自分で調達したのでした(その最も有名なのがドップラーですね)。フルートを熟知した名手の作品ですから技巧的に高度なのは当たり前、雄大な音楽でフルートの可能性に迫る名作です。
●ピアソラ:Astor Piazolla
(1921.3.11アルゼンチン、マル・デル・プラタ〜1992.7.4ブエノスアイレス[71歳])
−タンゴの歴史より、Cafe 1930
4歳の時にニューヨークに移り住みましたが15歳の時にアルゼンチンに戻っています。暫くしてタンゴの魅力に取り憑かれますが限界を感じてクラシックの勉強にパリへ行きます。そこで師事したナディア・ブーランジェに「タンゴこそあなたの音楽」と諭され再びタンゴの可能性に挑戦し始めました。「タンゴの歴史」はピアソラがクラシックの演奏家の為に作曲したとされています。情感溢れる作風は聴く人をいっぺんに虜にしてしまうことでしょう。
アンコールは、ウイスキーがお好きでしょ(石川さゆり・歌、Fl+Pf、上坂)、ケーラー:花のワルツ(2Fl+Pf)でした。
最初から静かな作品が並び、ちょっと大変σ(^◇^;)
でも、自然に感情移入できたかな。。。
前半最後の笹森先生の作品を演奏し終えて。先生には壇上に上がって頂きました。会場も大いに賑わいました。
休憩中は
ソロイスツ同様、ジュースとワインの無料サービスがあります。オレンジとりんごのジュース、赤白ワインです。
後半最初はリクエストコーナー、フルートで映画音楽を2曲演奏した後はピアノ独奏でシューベルトとセヴラック。
そしてゲストの竹澤さんとユーグ。大好評でした。
演奏が終わって記念撮影。
お客様とも記念撮影〜。
右は弘前で活躍するフルート奏者の工藤千尋さん、竹澤さんと私の間のお二人は吹奏楽を楽しまれている竹澤さんの生徒さんです。来てくれてありがとう!
<本日の打ち上げ>
待ちに待った(笑)打ち上げ、ビールよこせ!!(大笑)。右は写真を撮って下さった弘大の古川先生です。ご自身も音楽愛好家でお詳しいのです。演奏会もオーガナイズなさっています。
生ハムのサラダ、写真にはありませんがピザに唐揚げに、と旨旨が続き、
この鍋、なんて言うのかなあ、凄く美味しかったです。カニ爪、エビ、ホタテ、あさり、豚肉、野菜などを豆乳仕立てのスープで炊いてあります。出汁がサイコー。その出汁で、、、
シメにラーメンと来たもんだ(←ちょっと古い)。とにかくスープが美味しいので麺も生きます。
そして、、、
2次会〜\(^^@)/帰宅は午前2時前、久々の午前様でありました。
この演奏会には地元出身の近藤さんの同級生の皆さんが多大なる協力をして下さいました。お疲れ様です、皆さんありがとうございました。
(続く)
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